ざつおん

30代後半グラフィックデザイナー(女)による他愛もない話。

【妊娠4ヶ月〜5ヶ月】体調不良のバーゲンセール

胎児と、胎盤&へその尾で連結することで、「つわり」という状態が終わるらしい。
 
この頃は、胃が常にヌルっと気持ち悪いという王道の症状が軽くなり、いよいよ終わりか?!と期待させておいてそうじゃないところが罪深い。
頭が痛い、咳が止まらない、お腹に蕁麻疹出た、疲労感抜けない、熱っぽくてだるい…かと思ってたらまた気持ち悪いんだけど、つわりぶり返した?!と、日々なんかどっか調子悪い。
 
Googleで「妊婦」に続けてこれらの症状を検索すると、「妊娠中はよくあります」みたいな結果が、マジで全ての症状にヒットする。
 

 

Twitterで体調の良し悪しを常にメモしていたもので引用で振り返る体調の浮き沈みたち。
 

 

 

 

 

 
通常時、スーパー健康優良児で風邪すら滅多に引かないわたしにとって、この状態はかなりのストレスだった。
「病は気から」ともよく言ったもので、これだけ体調不良だと、気をしっかり持つことがいかに困難で大切か!
メンタルは常に調子いいんだけど、体調不良にメソメソする気持ちを実感する。
 
まさに下記に気持ちがまとまっておりますです。
 

 

【妊娠初期の結果発表】つわり vs 酷い二日酔い

数年前インフルエンザにかかった時、
「あ。これは酷い二日酔いの方が辛い」
と確信したことがある。

 

それほどまでに、私の二日酔いは、本ッ当に酷いのだ!
水もポカリも吐くのはもちろんのこと、貧血を起こして起き上がれないし、胃薬含め一切の薬も効かない。
ただただ前夜の暴飲暴食の後悔を心の中でつぶやき、ベッドの上で丸一日脂汗をかきながらゆらゆらし、たまに這いつくばってトイレに行くぐらいしかできない。

道端で倒れこんで何もできなくなってしまって、通りすがりの人にタクシーを止めてもらったこともある。鮮血やらゼリー上の何かやらを排出したこともある。
そうやって、酷い二日酔いの1日は、体調不良のまま完全に溶ける。

 

さて、めでたく妊娠し、初期の洗礼である「つわり」をついに体感した私。

 

体感してみての個人的な感想は
「あ。これは酷い二日酔いの方が辛い」
であった。

 

入院するほどの妊娠悪阻の症状を調べる限り、わたしの酷い二日酔いと一致する箇所が多そうだ。
これが毎日とか、マジ死ねるんだが……
おめでとう(?)、私の体内症状杯は「酷い二日酔い」さんの完封勝ち!!


とは言え、つわり症状がゼロだったわけではない。
寝起きは胃がムカムカしているし、大抵のものは食べられるけど夕方から急激に体調悪化して何もしたくなくなり、ベッドの上で「ウッ」と戦いつつiPhoneで漫画を読むかパズルゲーム。
最低限の仕事をして辛くなってきたらすぐ横になり、通常時と比較してかなり自堕落に過ごした。

あれです、そこそこ飲んだけど終電には解散して、家で水を飲まずに寝ちゃった翌日くらいの、「軽い二日酔い」的な状態ですね。


しかし、「私のつわりはマシなほう」と侮るなかれ。

 

毎日じわじわと気持ち悪い状態なのだ。1ヶ月以上も。

 

ドカーン!と殴られて満身創痍という状態(ひどい二日酔いや悪阻状態)ではないが、地味〜にず〜っとコツコツ小突かれてるような不快感。まるで私がRPGやってるときのボスの倒し方とそっくり!!性悪ですね!!!


心のHPが少しずつ削られて、精神的にじわじわと参ってくる。もうダメだ~と挫けそうになってくる。腹の中の子よ、私でボス戦の練習でもしてんのか。

 

結果、自粛疲れならぬ「つわり疲れ」。

 

誰を責めるわけでもなく、これもなかなか辛いものでありました。Twitterのマタ垢でも同意見多数。

つわり、舐めたらアカン。

 

そんなつわり時期は夏真っ盛りだったけど、奇しくもコロナ禍ということでイベントもお祭りもなかったため、「みんな夏楽しんでて羨ましい!」と悔し涙で枕を濡らす事なく、家で静かに過ごすこととなりました。
事務所を解散し自宅で仕事をすることにしたおかげで外出機会が減り、打ち合わせがほとんどリモートにシフトしたのも助かったな~

コロナ禍で仕事が減ったことにめちゃくちゃ感謝したのは、きっと日本で私だけだと思う。


ある意味、いいタイミングでの妊娠初期だったのかもしれない。(ポジティブ発揮)

【不妊時の精神状態】ひとことで、闇

幸せは、人を少しだけ無神経で盲目にする。

 

例えば、お金持ちで何不自由なく育った人の悪気の無い一言が、苦労して生きてきた人の尊厳を潰すようなこと。順調に夢を叶えた人が発する悪気の無い一言が、何らかの理由で思い描いた未来にならなかった人の心を潰すようなこと。

 

何事も、経験しないとわからない辛さは、経験してない人には想像すらつかないのだ。

 

そんなこと言いつつも、私は適度に無神経なところがある人は嫌いじゃないどころか、むしろ好きだ!

 

私自身も基本的に言いたいこと言ってそこそこ幸せに生きてる(=盲目で無神経側の人間の自覚ある)ので、もしかしたら知らないうちに誰かを傷つけているんだろうなとも思っている。
だからこそ、反対に誰かからの一言に嫌な気分が浮かんだりしても「受け取った私が持ってるコンプレックスとかの問題だからまぁ仕方ない」と思えることがほとんどだ。


ただ、不妊治療中はこの感情コントロールがうまくできなかった……!

 

「子供はいいよ~」「はやくつくりなよ~」という何気ない一言にさえ「いや、すぐできるなら欲しいんだよ?そんな簡単にできないんだが???」とイラつきが瞬時に沸騰し、後になって「悪気のない何気ない一言をそんな受け取り方しかできない自分が恥ずかしい!」と、自己嫌悪に陥り悶々と落ち込む。

 

物事はちゃんと努力して真摯に向き合えば、ある程度手に入ったり叶うものだ、という事を経験を通して学び大人になった今。「妊娠できない」という、どんなに願っても頑張ってもどうしようもない事に直面して、ウジウジした想いがドロンと溜まっていくのでありました。

 

そして、そのストレスが今まで全く無かった「PMS」として現れはじめる。PMS、まさに不安感情増幅装置!コントロール不可能!!生理がくるたびにネガティブと不機嫌が大爆発!!!

 

…もうね、命の母、買ったよね。

 

もしも授からなかった時に自分が傷つかないように、子供のいない未来をいかに楽しく暮らすかのアイデアや人生計画を書き出して心を落ち着けました。
そして、SNSで子育て話が上がってくるのが苦痛になってしまって、目に入ると辛いので子育て中心のアカウントはそっとミュートしたりもしました。見たくも聞きたくもなくてもこの歳になると子供の話題から完全に逃れることは不可能なのだよね。発信する方々の誰にも悪意は無いし、受け取る私の心の問題なのだ、と言うことはめちゃくちゃ理解しているのに!

 

ホルモンには逆らえないものですネ!!
怖いですネ!!!!

(生命の母を飲みながら)

 


現在、奇跡が起きて授かることができたわけだけど、経験しなければわからなかった事としてこの不妊中の心理状態は忘れずにいたいなと思いました。

 

同じ境遇の人に対峙した時、このなんとも言えない思いがわかる私はせめて、少しでも、

盲目と無神経にならないように。

 

ということで、TwitterInstagramといったメインで使ってるSNSは、マタニティ&子育てアカウントをバッツリ分けました。(このblogはそもそも見てる人が少ないからごっちゃに上げるけどもw)

今まで個人的に好きなものやネタの投稿だったのに、いつの間にか子供の話中心になってる……なんてことにはしないぞ、という固い決意。

 

何気なく目に入るだけで苦しい、という心理状態の人がいるかもしれないことを、身をもって知ってしまったのでネ。

 

【妊娠報告】不妊治療に片足突っ込んで授かった話

結論から言うと、御子を授かりまして!安定期に入りました!!!


ので、忘備録的に不妊治療〜妊娠時の状態を記していこうかと思います。
ということで、まずは授かるまでの話。

 

「コンドーム外して排卵日狙えばできるっしょ!」

という甘い考えだったことを、ここに深く懺悔いたします。

 

私は、そんな風にすんなり授かれなかった。 というか、健康な30歳で営みがあっても妊娠確率20%ですよ?もう私35歳ですよ??すんなり行くなんざ、前提から大間違いだったのだ。

 高齢出産でもあるし、出産できるタイムリミットは迫っているのに「確実に」子供ができる保証はひとつもない!人生計画も仕事の展望も左右されるというのに、努力だけじゃどうにもならないことがあるというのは、だいぶもどかしい。

 

近所の婦人科になんとなく通ってなんとなく排卵日を調べてもらってなんとなく行動に移し、授からず、毎月落ち込んで自暴自棄になりかけてPMSの薬を摂取しながら1年弱が過ぎてしまった。

 

が。

 

やるべき事はまだ全然あるしやってないよね?と夫と向き合って話し合い、不妊治療を経験した友人に相談。「不妊治療」を看板に掲げている専門院へ転院することにしたのでした。

 

友人曰く、不妊治療のクリニックには2種類あると。


・バンバン薬を使って排卵を促し、システマチックに受精まで持っていくクリニック(世界のトレンドの方式。新宿の有名なあのクリニックなどはコレ)


・薬も使うが自然療法も取り入れ、無理なく妊娠できる計画を推奨するクリニック

 

目から鱗!!事前に教わってよかった。

なぜなら私はピルが合わなくて薬害肝炎+血栓症になりかけたことがあり、ホルモン操作系の薬には抵抗がある。トレンドかつ受精までが論理的でスムーズだとしても、前者はこわい……

ということで、後者の考え方で進めてくれるクリニックを、通いやすい近場で選択したのでした。

 

個人的にはそのクリニックがドンピシャ大当たり!
「HAPPY妊活」を掲げていて、先生と話すだけで笑顔で毎回ポジティブになれるという、ストレスフリーなクリニック。不妊治療といえば、システマチックで流れ作業&ピシャッと冷たいことを言わる雰囲気……と思ってたのだが、真反対!

 

診察が終わって一通り話した後にも、まだまだなんでも質問して~というお話好きで熱量の高いの先生。独特の柔和感なので合う合わないはありそうだけど、深くディスカッションしたい側の我が家にはバッチリハマったのでした。

なにより、不妊に参ってた心に先生の温かさが染み込みすぎて、PMSもさようなら〜!

 

そちらに通って諸々検査をし、流れを話しながら今後の計画を立てている最中……1周期目でするっと奇跡的に授かることに。夫と共に「絶対あの先生のパワーだわ…」と話しております。心のケア大事。本当に大事。

 

不妊治療専門院なので御子が宿ったことを確認した後にすぐ卒院となってしまったけれど、もし普通の産婦人科だったら、本当にあのクリニックで産みたかった〜!
今後2人目を考えることになったらまた速攻行こうと思ってます。

 

ということで、本格的な不妊治療には片足突っ込んだくらいの状態ですが、たくさん質問してディスカッションして知識はまぁまぁついたので、治療内容など諸々、気になる方は個別に質問くださいませ^^

島は最高


#BOOKCOVERCHALLENGE

DAY 6

島もよう  大島/利島/新島/式根島/神津島

 

ある時、手痛い失恋をした。

 

突然切り出された別れにショックを受けすぎて、泣きじゃくり嗚咽しながら右も左もわからない状態で電車に乗り、何度も乗り換えを間違え、友人たちと約束していた待ち合わせ場所には大幅に遅れてたどり着いた。
今思い出してもヤバイ精神状態である。あの夜爆笑で遊んでくれた皆さん、ほんとうにありがとう!!笑
心の準備期間なく突然ブチンと切られる失恋は、妙にずるずると引きずってしまう。
人生を振り返ってみても、相手の人間性の良し悪しには一切関係なくこういう流れだから、いつかこの原理は解き明かしたい。

 

そんなわけでずるずると飯が食えず2週間ほどで体重が5kg減り、水着を着ても恥ずかしくないくらいに痩せた夏。

 

私は思った。

もう、大嫌いな海でも行ったろーかな?と。
※泳げないしベタつくし、基本的に海が嫌いです

 

そんなタイミングでこの本に出会った。

 

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島もよう

 

珍しく、刊行された直後に購入した本。
幅広い女子の心のストライクゾーンにスルッと入ってくる抜け感と可愛さは、秀逸なデザインだと思う。

デザインはkiddさん kidd co.,ltd.  。表紙デザイン、中身のレイアウト、書体の使い方、全部本当にうまい!すき…

 

当時わりと流行ったのでこの本を持っている人はたくさんいると思うけど、
この本を片手に実際伊豆七島に訪れた人そんなに多くないのではなかろうか。


夜出発して早朝に到着する格安の大型船を抑え、宿はキャンプ場が無料ということでamazonでインナーのみの簡素な二人用テントを2000円くらいで購入した。
もし雨が降ったらと思うと恐ろしい装備だけど、幸いにも全日天気良好だったので結果オーライである。

 

離島を取り囲む海の水は透き通ってめちゃくちゃ綺麗。海水浴場というものはいつも混んでいて蒸し暑くて不快だったのだが、お盆明けの新島と式根島は程よく空いていたし火傷するくらいカラリとしていた。

 

 

9年ぶりに写真で振り返りますね。

ほぼ、よっちの写真集!笑。

 

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夜出発の大型船

 

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明け方、太平洋から、夜と朝が半々な空を眺められる

 

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朝焼けめちゃくちゃ綺麗

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当時はガラケー。地図は基本、紙。迷う。

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式根島のキャンプ場。湾を見下ろす最高のロケーション!


 

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2000円テント大活躍した

 

 

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しまねこ(超可愛い)

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海がね、とっても空いてた!

 

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式根島、点在している海辺の野湯を、水着で巡る

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夕日でかい

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移動は基本レンタル自転車

 

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新島へ移動。ランドネに載ってそうなよっち

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新島は所々ラピュタ感ある

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神殿のような温泉

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蒼い海!白い砂浜!!だった

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あ、友達の息子の名前!笑



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島飯は海鮮多め。江戸前島寿司はぜひ「まると」で。

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新島のキャンプ場は国定公園。ひろい。

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新島は夏の間、小規模なレイブが行われている。チルでいい感じ。

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新島saro。おしゃれ。いつか泊まってみたい。

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紙テープのお別れ。ぐっときて良い

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大型船は、長時間だけど自由で楽しいので大好き!

 


この旅のおかげで「島の海なら自主的に行きたい」「伊豆七島最高」となりました。新島数回の再訪に加えて八丈島など、この後もいくつか行ったな。


あ〜、また、島〜行きたいよ、島ぁ!!

 

 

 

- 以前のBOOK COVER CHALLENGE

 

 DAY 1


DAY 2


DAY 3

 

DAY 4

 

DAY 5




 

タトゥーの柄が決まらない

#BOOKCOVERCHALLENGE

DAY 5

LOVE TATOO  /  今村雅彦

 

タトゥーには、10代の頃からずーっと憧れがある。

 

友人達は、映画「スワロウテイル」と同じく胸元にのアゲハ蝶のタトゥーを入れてたり、ふくらはぎに綺麗な和彫を入れてたり、海外の洒落た絵本から引用した幾何学模様を入れたりしてる。


動機なんて、勢いとかノリとかそんなモノでいいのかもしれないけど、幼少の頃からヤクザ漫画大好きっ子な私は「刻んだ柄は一生モノ」と重く受け止め過ぎていて、「30歳になった時に入れたい柄にしよう…」と密かに決意していた。

 

しかし30代も後半な現在、未だタトゥーを入れるには至っていない。


韓国式でワンポイントタトゥーをカジュアルに入れるような時代になったのに、任侠のごとく重い決意から抜け出せず、まだ自分の体に一生刻む柄をどうしたら良いのか、私は決められないのだ。

 

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LOVE TATOO 今村敏彦



この本の刊行は1998年。

私が中学生のころのCUTIEだったかZipperだったか…どちらかの特集ページで紹介されていた。被写体の刺激的なエピソードが抜粋されていて、ド田舎から出たことがない私には「東京ってスゲー!自由!!」と憧れを膨らませる材料のひとつとなり、架空の物語のようだった。


しかし、こんなニッチな本が実家付近の本屋に売っているわけもなく、親にねだれるような内容でもなく、通販の知識もなく…入手することは諦めた。

 

そして、上京してからどこかの古本屋で再会したのだった。

 

巻末には、すべての被写体の性格や生活、カメラマンとの関係性がわかる文章が綴られていた。

DAY1で挙げた「ライド ライド ライド」もそうだが、ドキュメンタリー写真は、文章がついてくると魅力がグンと跳ね上がると思う。カメラマンは文章力も試されてる。

一般人の、決してスタイルがいいわけではない裸体の生々しさが良い。恋人同士の絡み写真も多く、生き方は皆それぞれ訳アリで、どこか無謀で刹那的で、安野モヨコが描く漫画の登場人物のようだ。
20年以上経った今、当時と同じ柄を体に刻んだまま、彼らはどうしているんだろうな。

 

被写体と同様に、カメラマンの今村さんは還暦を超えているであろうご年齢で現在何をしているのだろう?とそっと探してみた。
既にカメラマンを引退し(!)、ハーレーを乗り回しつつ自動車整備の専門学校に入学し(!!)、酒を飲んで豪快に酔っ払い、キャンプを楽しみ、アクティブに暮らしていた。

人生しっかり楽しんでる超かっこいい方だった。

なんでわかったかって?FACEBOOKが全公開設定(拍手)

作品から入って制作者を後から知った時、その方が魅力的だとさらにうれしくなる。

 


結局、タトゥーは憧れのまままだわたしの体には刻んでいないということで、エピソードというよりちゃんと本の紹介になった感。

 

70歳を過ぎてから自分の意思でタバコを吸い始めたうちのばあちゃんを見習って、私もそれぐらい大人になったら決意できるのかもな。

 

 

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 DAY 1


DAY 2


DAY 3

 

DAY 4


 

バーテンダーとインドの共通点

 

#BOOKCOVERCHALLENGE

DAY 4

深い河  /  遠藤周作

 

予定調和だけの毎日になると、脳がゆっくり退化することに気がついた。

 

フリーランスになってからバーテンダーをはじめた理由がソレだった。

 
会社という多数の人間が集まる場に属していると、バッタリ会った人と他愛もない雑談をしたり、帰るタイミングが会った人と飲みに行ったり、予定していなかった小さな出来事が無数に起きる。
それがフリーランスになると、予め約束をした人としか会わないし、想定外な出来事はガクンと減る。意識をして予定を立てないと、人と全く話さない日だってある。
 
そんな生活をしていたら、咄嗟の会話への反応が鈍くなっている事に気がついた。答えは出ているけど、なかなか言葉にならない。脳が感情を言語化するまでの経路が迷路のようになってしまって、舌がもつれて言葉が出てこない。 脳が、シナプスが、刺激を失って明らかに退化している!これはいかん!!
 
週に一日、バーテンダーとして定められた時間内をカウンターの中で過ごし、ふらりと立ち寄ってくれた方とお酒を飲みながら雑談する。
意外な人が来てくれたり、初めましての方と予期せぬ会話で盛り上がったり、偶然隣になった人たちを繋げたり、脳の瞬発力がぐんぐん鍛えられていって、それはとても楽しかった。
 
不測の事態は、人生のスパイスであり、脳の養分なんだなぁとひしひし思う。
 
 
だからある時、彼が突然「来月インドに行く事にした。ずっと行きたかったバラナシに」と突然言い出したときも、「ちょうど休みが取れそうだからついて行こうかな」と乗っかってみたのだった。
ぶっちゃけ、私はその時点でインドに興味がなかったし行こうと思ったこともなかった。
大して興味のない国へ、不測の事態に乗っかって何十万も払って行くことにしたのである。
 
その時点での私のインドへの知識といえば、むげん堂の商品を愛用していた事による雰囲気の想像、スパイスカレー、ヨガ、よくお腹を壊す、大学生が自分探しに行きがち、という程度。デリーという首都は知っていても、バラナシ?なにそれおいしいの??という状態。
 
多くの人を魅了する場所であろうインドは、友人にもファンが多数居る。複数の友人に聞き込み調査をした結果、「たった一週間?!じゃぁ、1都市にしなよ」という意見が多数だった。1週間は長い方だと思っていたのだけど、どうやら少なくとも1ヶ月滞在するのがインドのベターな過ごし方らしく、時間の感覚は日本よりだいぶスロウだよ、と念を押される。
それならば、ということで滞在期間中はずっとバラナシに滞在する事に決まった。
 
 
バラナシ(別名、ベナレス)は、世界最古の都市のひとつとも言われるヒンドゥー教最大の聖地であり、とにかくいろいろとカオスな街だった。
そこで読んだ、現地を題材にした小説が、こちらである。
 

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深い河 遠藤周作

この本に登場する人物たちは、人探しだったり、背負った何かだったり、欲望だったり信仰だったり、何かしらの熱を背負って「インドへ」という意思があった。内容もだいぶ重いテーマなのでどよんとした気持ちになりそうなところだが、何も期待せずに赴いた私が感じた現地の空気はカラっとしていて、悲壮感がない。

あぁ、私はこれを現地で読んでよかったな。日本で読んでいたら、「バラナシ、とんでもない街…」と思っただろう。(実際、夫はそう思っていたようだし)

私のような、軽い思いつきでインドに来た人も居る。現地で生きる人たちも、訳ありで流れ着いた人や信仰心から訪れた人もいれば、生まれ育った土地だから何も考えずここで暮らしているだけの人だっている。

そういう人々や、生と死もひっくるめてカラりとしたカオス。金持ちから物乞いまで、聖人から悪人までが隣り合わせで暮らして(もしくは滞在して)いる街だった。

この独特のバランス感が、唯一無二と言われ人々を惹きつけているのかもしれない。

 

 

ちなみに、一番の心配だった「お腹を壊す」からは逃げ切れそうだったのだけど、バラナシを後にした最終日の夜行列車の中でトイレに篭る羽目になった。くやしい。

 

 

長くなるので色々エピソードは省くけれど(どっかで小出しにしようかな)、結局、行ってみてどうだったかって。

 

インド、最高だった!!好きになった!!

 

私はぜひまた行きたい。

バラナシはメシマズの極みだったので笑、次行くならご飯が美味しいといわれている南インドかな。

 

 

 

以下、バラナシの記録一部(写真、当時は彼で、現夫)

 

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路地が多すぎる街。1週間いても迷う。

 

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サードゥ(修行僧)たち

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火葬場。写真撮影は未だに禁忌

 

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お祭りのようなプージャという儀式は毎晩執り行われる

 

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ガンジス川は沐浴場であり、地元っ子の水泳教室の場でもある



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写真撮られるのが大好きなインド人たち

 

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ガンジス川、聖地の対岸は不浄の地と呼ばれている

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極彩色




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彼のボートに一番多く乗った

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手作りの橋!ディストピア世界的でぐっときた

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ああ、歯列矯正前だなぁ

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これまたグッとくる手作りのボートで花を売る少年。

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砂埃がすごいので、顔被おう何かは絶対必要。これは現地調達の布。




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