ざつおん

30代後半グラフィックデザイナー(女)による他愛もない話。

【不妊時の精神状態】ひとことで、闇

幸せは、人を少しだけ無神経で盲目にする。

 

例えば、お金持ちで何不自由なく育った人の悪気の無い一言が、苦労して生きてきた人の尊厳を潰すようなこと。順調に夢を叶えた人が発する悪気の無い一言が、何らかの理由で思い描いた未来にならなかった人の心を潰すようなこと。

 

何事も、経験しないとわからない辛さは、経験してない人には想像すらつかないのだ。

 

そんなこと言いつつも、私は適度に無神経なところがある人は嫌いじゃないどころか、むしろ好きだ!

 

私自身も基本的に言いたいこと言ってそこそこ幸せに生きてる(=盲目で無神経側の人間の自覚ある)ので、もしかしたら知らないうちに誰かを傷つけているんだろうなとも思っている。
だからこそ、反対に誰かからの一言に嫌な気分が浮かんだりしても「受け取った私が持ってるコンプレックスとかの問題だからまぁ仕方ない」と思えることがほとんどだ。


ただ、不妊治療中はこの感情コントロールがうまくできなかった……!

 

「子供はいいよ~」「はやくつくりなよ~」という何気ない一言にさえ「いや、すぐできるなら欲しいんだよ?そんな簡単にできないんだが???」とイラつきが瞬時に沸騰し、後になって「悪気のない何気ない一言をそんな受け取り方しかできない自分が恥ずかしい!」と、自己嫌悪に陥り悶々と落ち込む。

 

物事はちゃんと努力して真摯に向き合えば、ある程度手に入ったり叶うものだ、という事を経験を通して学び大人になった今。「妊娠できない」という、どんなに願っても頑張ってもどうしようもない事に直面して、ウジウジした想いがドロンと溜まっていくのでありました。

 

そして、そのストレスが今まで全く無かった「PMS」として現れはじめる。PMS、まさに不安感情増幅装置!コントロール不可能!!生理がくるたびにネガティブと不機嫌が大爆発!!!

 

…もうね、命の母、買ったよね。

 

もしも授からなかった時に自分が傷つかないように、子供のいない未来をいかに楽しく暮らすかのアイデアや人生計画を書き出して心を落ち着けました。
そして、SNSで子育て話が上がってくるのが苦痛になってしまって、目に入ると辛いので子育て中心のアカウントはそっとミュートしたりもしました。見たくも聞きたくもなくてもこの歳になると子供の話題から完全に逃れることは不可能なのだよね。発信する方々の誰にも悪意は無いし、受け取る私の心の問題なのだ、と言うことはめちゃくちゃ理解しているのに!

 

ホルモンには逆らえないものですネ!!
怖いですネ!!!!

(生命の母を飲みながら)

 


現在、奇跡が起きて授かることができたわけだけど、経験しなければわからなかった事としてこの不妊中の心理状態は忘れずにいたいなと思いました。

 

同じ境遇の人に対峙した時、このなんとも言えない思いがわかる私はせめて、少しでも、

盲目と無神経にならないように。

 

ということで、TwitterInstagramといったメインで使ってるSNSは、マタニティ&子育てアカウントをバッツリ分けました。(このblogはそもそも見てる人が少ないからごっちゃに上げるけどもw)

今まで個人的に好きなものやネタの投稿だったのに、いつの間にか子供の話中心になってる……なんてことにはしないぞ、という固い決意。

 

何気なく目に入るだけで苦しい、という心理状態の人がいるかもしれないことを、身をもって知ってしまったのでネ。